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【書籍紹介】児玉光雄『イチローの逆境力』【10月18日に買った本の紹介②】

・『イチローの逆境力』児玉光雄 祥伝社黄金文庫


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ダンスって、身体を使う芸能である関係上、同じく身体を使うスポーツと近しいところがあって、トレーニングや休息、日々の過ごし方や本番への臨み方など、身体作りやメンタルの面で参考になるところが多い。

私は今までにあまりない踊りをダンスシーンに持ち込もうとしている関係上、特にイチロー室伏広治(少し別パターンだけど武井壮なども)などの、周囲とは一線を画した考え方や鍛え方でトップクラスになった選手のことをよく参考にしている。
そんなわけで野球は詳しくないんだけどイチローのことが大好きで、Youtubeで何回もインタビューやニュース映像、対談の動画を観ている。

一方で、本人の言葉を聞くのも大事なんだけど、彼の野球シーンでの活躍の過程を学びたいなら、第三者から見て彼がどう評価されているのかを知ることも重要だと思っていた。
そう思って前々からイチローの書籍に興味があったところにこの本を見つけて、内容を軽く確認したところまあまあその欲求を満たしてくれそうな本かな、と思ったので買った。

著者はスポーツ心理学者であり、特に、俗に天才と呼ばれる卓越した選手に関する研究に強いらしく、この本ではイチローの数ある発言や行動のうち後学に役立ちそうなものをビジネスマン向けにまとめている。
著者はそういうキャッチーな選手に関する本を多く出していて、調べて見た限りイチローとの面識はなさそうな雰囲気があった。

イチローは自身が発言をするとき、非常に言葉をよく選んでいて、自分の考えている意図をなるべく誤解されずに正確に伝わるよう気を配っているタイプの人。
引退時の会見ひとつ見るだけでそれがすぐに判るし、そして、プロとして言葉を扱う取材記者に対する目もとても厳しく鋭い。

そんな彼が、ほとんど面識もない人物に自身の発言をあれこれ解説されること(私のこの記事も例外ではない)を快く思うかというと甚だ疑問で、そういった前提を踏まえて「イチローの本」というより「児玉光雄氏の本」と思って読むのが正しいと思った。
野球について語られた発言をビジネスマン向けに書き換えている時点でそうなんだけど。

現に、イチローの発言は一言一句示唆に富んでいてとても勉強になる反面、この本は光る部分はあるもののどうにも首を縦に触れないような微妙〜な内容も含まれてた。

110円だったから買った本、という感じ。